日本を代表する現代美術家の一人、村上隆さん(61)が来年2月、京都で「村上隆 もののけ 京都」展(朝日新聞社など主催)を開く。国内では8年ぶりの大規模個展で、出品する約170点の大部分が新作となる。14日に京都・祇園で記者会見があり、村上さんは「今まで蓄積した技術で最高のものをつくっている。日本での展覧会は最後だと思って、ぜひ見に来ていただきたい」と話した。
村上さんは、アニメやマンガを引用したポップでカラフルなアート作品で知られる。今回の個展は開館90周年を記念して京都市京セラ美術館(同市左京区)で開催され、作品を通じて京都と対峙(たいじ)する。例えば、江戸時代に描かれた岩佐又兵衛の「洛中洛外図」や、俵屋宗達の「風神雷神図」など、京都を中心に活躍した絵師の代表作を、村上さんが独自に解釈・引用、再構築した新作を展示するという。
この日は、歌舞伎の「南座」(同市東山区)で、十三代目市川團十郎さんの襲名披露興行のために村上さんが原画を描いた祝幕も披露され、團十郎さん、村上さん、間を取り持った映画監督の三池崇史さんが祝幕の前に並んだ。歌舞伎十八番のすべての演目をデザインしている。團十郎さんは「エネルギッシュだが緻密(ちみつ)な計算がある。(初代團十郎が創始した)荒事と共通している」と話した。この原画も出品される同展の会期は来年9月1日まで。(西田健作)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル